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【応用情報技術者試験】コンピュータシステムの構成を学ぼう!     ~第3章~システムの信頼性

システムの信頼性とは、システムが故障や障害を起こさずに、所定の条件下で安定して正常に稼働し、期待通りの機能やサービスを提供し続けられる能力や性質のことです。単に「止まらない」だけでなく、「動いた結果が信用できる(一貫性がある)」ことも含み、MTBF(平均故障間隔)などの指標で評価されます。

画像参照:https://e-words.jp/w/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0.html

RASIS

RASIS(レイシス/ラシス)とは、コンピュータシステムやサービスの品質を評価するための5つの指標(Reliability(信頼性)、Availability(可用性)、Serviceability(保守性)、Integrity(保全性)、Security(安全性))の頭文字を取った言葉です。障害が起きにくいか、いつでも使えるか、直しやすいか、データは正確か、不正アクセスに強いか、といった観点からシステムの信頼性を総合的に評価する概念で、特に「RAS」が重視されることもあります。 

RASISの各要素

  • R (Reliability / 信頼性):システムが故障しにくいこと、安定して稼働し続ける能力。
  • A (Availability / 可用性):システムが利用可能である時間の割合(稼働率)が高いこと。
  • S (Serviceability / 保守性):障害発生時に迅速に復旧できること、メンテナンスのしやすさ。
  • I (Integrity / 保全性):データが矛盾なく一貫性を保っていること。
  • S (Security / 安全性):不正アクセスや攻撃からシステムやデータを保護できること。 

語源と歴史

  • 元々はIBMが提唱したRAS(Reliability, Availability, Serviceability)が起源で、システム評価の重要指標でした。
  • 後に日本でIntegrity(完全性・保全性)Security(安全性・機密性)が追加され、現在のRASISとなりました。 

なぜ重要か

  • 高い処理速度だけでなく、システムが「いつでも、安定して、正確に、安全に使える」ことが現代のITシステムには不可欠であり、そのための包括的な評価軸として使われます。

MTBFとMTTR

MTBF(平均故障間隔)とMTTR(平均修復時間)は、設備の信頼性や保守性を評価する重要な指標で、MTBFは「故障せずに稼働できる時間の長さ(信頼性)」を示し数値は高いほど良く、MTTRは「故障してから修理完了までの時間(保守性)」を示し数値は低いほど良いです。両者は「稼働率」の算出に使われ、MTBFを長く、MTTRを短くすることで、システムの可用性を高められます。 

MTBF

  • 意味: 装置やシステムが故障してから次に故障するまでの平均時間。
  • 評価する能力: 信頼性(Reliability)、連続稼働能力。
  • 目標: 数値が大きいほど信頼性が高い。
  • 活用: 予防保全計画や設計品質の評価に利用。 

MTTR

  • 意味: 故障が発生してから、修理が完了し復旧するまでの平均時間。
  • 評価する能力: 保守性(Serviceability)、復旧効率。
  • 目標: 数値が小さいほど復旧が早い(保守性が高い)。
  • 活用: 保守体制の見直しや手順改善、部品在庫計画に利用。 

両者の関係性

  • 相互補完: MTBF(信頼性)とMTTR(保守性)は、システムの総合的な効率や可用性を評価する上で互いに補完し合う指標です。
  • 稼働率の計算: 稼働率(Availability)は、MTBF ÷ (MTBF + MTTR) の式で算出でき、システムの安定稼働の割合を示します。
  • 改善のアクション:
    • MTBFが低下傾向なら予防保全を強化。
    • MTTRが長いなら保守手順の見直しや要員のスキル向上を検討。 

具体例

  • MTBFが長い(例: 500時間)→ 故障しにくい。
  • MTTRが短い(例: 5時間)→ 故障してもすぐに直る。
  • この組み合わせで、システム全体の稼働率を向上させ、生産性やサービスレベルを高めます。 

稼働率と故障率

稼働率と故障率はシステムの信頼性を示す指標で、稼働率は「システムが正常に動いている時間の割合」、故障率は「システムが故障している時間の割合」を示し、互いに補完関係にあり、「稼働率 + 故障率 = 1 (100%)」の関係にあります。稼働率はMTBF(平均故障間隔)とMTTR(平均修理時間)から計算でき、高いほど信頼性が高いとされ、システムの可用性や効率性を評価する際に重要です。 

稼働率

  • 定義: システムの全運用時間のうち、実際に正常に稼働していた時間の割合。
  • 計算式: 稼働率 = 稼働時間 / (稼働時間 + 停止時間)。
  • MTBF/MTTRを使った計算式: 稼働率 = MTBF / (MTBF + MTTR)。
  • 意味: 高いほど、システムが止まらずに使える時間が長いことを意味します。 

故障率

  • 定義: システムの全運用時間のうち、故障して停止していた時間の割合。
  • 計算式: 故障率 = 故障時間 / (稼働時間 + 故障時間)。
  • 稼働率との関係: 故障率 = 1 – 稼働率。
  • 意味: 低いほど、故障が少なく、安定して稼働していることを意味します。

バスタブ曲線

バスタブ曲線とは、製品や機械の時間経過に伴う故障率の変化を示したグラフで、その形状が浴槽(バスタブ)に似ていることから名付けられ、「故障率曲線」とも呼ばれ、初期故障期・偶発故障期・摩耗故障期の3つの期間に分かれるのが特徴です。使用初期は設計・製造不良による故障が多く、その後安定期を経て、寿命が近づくと部品の劣化で故障率が再び上昇します。 

画像参照:https://instant.engineer/entry/Bathtub-curve

3つの期間

  1. 初期故障期(早期故障期間):
    • 製品を使い始めてすぐの期間。
    • 製造ミスや組み立て不良が原因で故障率が高い時期。
    • 保証期間が設定されることが多い。
  2. 偶発故障期(安定期間):
    • 故障率が低く、ほぼ一定で安定する期間。
    • 設計通りに製品が安定稼働する時期。
    • この期間のメンテナンス(予防保全)が重要。
  3. 摩耗故障期(劣化期間):
    • 長期間使用による部品の摩耗や劣化が原因で故障率が上昇する時期。
    • 製品寿命が近づくにつれて故障率が上がる。 

活用例

  • 品質管理・保守管理: 製品の信頼性向上や寿命予測に役立つ指標。
  • 予防保全の計画: 適切な時期にメンテナンスを行うための判断材料。
  • 製品の改善: フィードバックを基に設計や製造プロセスを改良する。 

応用例

  • 家電製品、自動車、パソコンなどの多くの工業製品の信頼性評価。
  • 人間の健康状態(乳幼児期・成人期・高齢期)の死亡率の変化にも例えられる。 

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