PERTは、作業の前後関係をネットワークで表し、プロジェクトの所要時間を考える手法です。作業を並行して進められる場合、すべての時間を足すのではなく、依存関係を満たす最早の完了時刻を求めます。
作業と先行関係の例
| 作業 | 所要日数 | 先行作業 |
|---|---|---|
| A | 3日 | なし |
| B | 4日 | A |
| C | 2日 | A |
| D | 2日 | BとC |
Aの終了後にBとCを並行して開始し、両方が終わったらDを開始できるとします。ここでは必要な人員などの資源制約はなく、各作業時間が与えられているものとします。
合流点は遅い方を待つ
| 作業 | 最早開始 | 最早終了 |
|---|---|---|
| A | 0日目 | 3日目 |
| B | 3日目 | 7日目 |
| C | 3日目 | 5日目 |
| D | max(7,5)=7日目 | 9日目 |
DはBとCの両方を待つため、7日目より前に開始できません。全体は9日で完了します。A・B・C・Dの合計11日ではないことに注意しましょう。
クリティカルパスは所要時間が最長の経路
| 経路 | 合計時間 |
|---|---|
| A→B→D | 3+4+2=9日 |
| A→C→D | 3+2+2=7日 |
この例のクリティカルパスはA→B→Dです。依存関係から求めた最短のプロジェクト期間を決める、最長の経路です。「クリティカルパス=最短の経路」と混同しないでください。
余裕時間と短縮の効果
Cは5日目に終わり、Dの開始は7日目なので、この例では2日の余裕があります。Cが1日遅れても全体9日は変わりません。一方、Bが1日遅れるとDも1日遅れ、全体10日になります。
クリティカルパス上の作業を短縮すると期間を短くできる場合がありますが、別の経路が最長になると効果が変わります。クリティカルパスは複数になる場合もあるため、短縮後は経路を再確認します。
最遅時刻・余裕時間とガントチャート
最早時刻は先行作業がすべて終わる時刻を前から求め、最遅時刻は全体完了を遅らせない限界を後ろから求めます。作業の全体余裕は「最遅開始−最早開始」(または「最遅終了−最早終了」)です。矢線で作業を表すPERT図では結合点が作業の区切りとなり、点の余裕と作業の余裕の式を区別して扱います。
PERTのネットワーク図は前後関係や経路の分析に、ガントチャートは時間軸上の作業期間や進捗の一覧表示に向いています。どちらも予定管理に利用でき、併用もできます。図が複雑になったり計画が変わったりしたときは、依存関係と時間を更新する必要があります。
期待時間を使う問題
楽観時間a・最可能時間m・悲観時間bから、PERTの期待時間を(a+4m+b)÷6で求める問題もあります。ただし、作業時間が直接与えられた問題では、その値を使って経路を計算します。見積りの式と経路の判定を分けて考えましょう。
確認問題
上の例でCが2日から3日に延びた場合、全体の所要日数は何日になりますか?
解答・解説を見る
9日のままです。CはA終了後の3日目から開始して6日目に終了しますが、DはBが終わる7日目まで待つためです。
PERTとクリティカルパスを例で復習
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