CISCは「Complex Instruction Set Computer(複合命令セットコンピュータ)」の略で、複雑な命令を多く持つCPUの設計方針です。これにより、1つの命令で複数の処理を実行でき、ソフトウェア開発を簡略化し、コード密度を高めることができます。しかし、複雑な命令は実行に時間がかかる場合もあります。現在のパソコンの主流CPUであるインテル製などがCISCの代表例です。
CISCの特徴
- 複雑な命令:複数の処理を1命令で行う、複雑で高度な機能を持つ命令が用意されています。
- コード密度が高い:複雑な命令により、同じ処理をより少ないコードで実現できます。
- 命令の実行速度:複雑な命令のために、実行に複数のクロックサイクルを要することがあります。
- 命令フォーマットの可変性:命令によってフォーマットやサイズが異なり、各命令で実行時間が異なります。
- ソフトウェア開発の簡略化:ソフトウェアを複雑な命令で記述できるため、開発が容易になります。
対義語:RISCとの違い
CISCと対比されるのが「RISC(Reduced Instruction Set Computer)」です。RISCは、単純な命令を複数組み合わせることで高速処理を実現する設計思想です。
| 特徴 | CISC | RISC |
|---|---|---|
| 命令の種類 | 複雑で多様な命令セット | シンプルで基本的な命令セット |
| 1命令の処理 | 複数クロックサイクル | 単一クロックサイクル(高速) |
| 命令フォーマット | 可変長 | 固定長 |
| 全体的なアプローチ | 1命令で複雑な処理を行う | 複数の単純な命令を高速に実行する |

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