- CxOの役職一覧と役割
- CEO(Chief Executive Officer):最高経営責任者
- COO(Chief Operating Officer):最高執行責者
- CTO(Chief Technical Officer):最高技術責任者
- CIO(Chief Information Officer):最高情報責任者
- CISO(Chief Information Security Officer):最高情報セキュリティ責任者
- CFO(Chief Financial Officer):最高財務責任者
- CSO(Chief Strategy Officer):最高戦略責任者
- CMO(Chief Marketing Officer):最高マーケティング責任者
- CSMO(Chief Strategy & Marketing Officer):最高戦略・マーケティング責任者
- CBO(Chief Branding Officer):最高ブランディング責任者
- CDO(Chief Design Officer):最高デザイン責任者
- CHRO(Chief Human Resource Officer):最高人事責任者
- CKO(Chief Knowledge Officer):最高知識責任者
- CAO(Chief Administrative Officer):最高総務責任者
- CLO(Chief Legal Officer):最高法務責任者
CxOの役職一覧と役割
本章では、CxOの代表的な役職とその役割をまとめました。ただしこれらは先述の通り、役員の権限や責任に関して法的な裏付けはなく、組織内での職制を示す役職名として企業が自主的に使用している呼称であり、企業によって定義・役割・業務内容が多少異なります。
CEO(Chief Executive Officer):最高経営責任者
企業全体の業務執行に関するトップが就く役職です。企業経営に関する全ての責任を負い、最終的な経営判断を下します。日本では、代表取締役社長や代表取締役会長などがCEOを兼務しているケースが多いです。
COO(Chief Operating Officer):最高執行責者
事業活動に関する業務執行(例:マーケティング・開発・製造など)を統括する役職です。代表取締役社長が兼務しているケースも見られます。
CEOに次ぐNo.2の役職として扱われることが多く、CEOの策定した経営戦略を執行する責任を担います。一般的には、CEOは全体的な企業戦略を構築し、COOはそれを実行するための具体的な業務オペレーションを構築するという役割分担がなされます。
CTO(Chief Technical Officer):最高技術責任者
企業の技術に関する活動を統括する役職です。製造技術・化学技術・IT(情報技術)・研究開発技術など、専門的な技術・知識を用いる技術部門のトップとして置かれます。DX(デジタル変革)の需要が高まる昨今、特に重要視されるようになってきている役職の1つです。
DXは戦略的に進める必要があり、商品・サービス自体での差別化が困難になりつつある中で、顧客に提供する価値の源泉をデジタルの領域に見つけることができる可能性があります。
参考:SIGNATE Cloud「DX戦略とは?意義、立案手順を解説【事例あり】」
CTOには、技術職として秀でた能力が備わっていることに加えて、経営視点から戦略的に技術の活用・方針の策定などを行う能力も求められます。なお、ITに長けたCTOの場合、後述するCIOと同義の役職として扱われることもあります。
CIO(Chief Information Officer):最高情報責任者
企業の情報戦略を統括する役職です。社内のシステムや情報管理など、情報部門を管轄します。CIOには、情報技術にもとづくIT戦略の立案や、企業のIT資産に関する業務の最適化などの役割が求められます。
CISO(Chief Information Security Officer):最高情報セキュリティ責任者
情報セキュリティを統括する役職です。前述したCIOの業務にリスク管理としてセキュリティに関する統括が加わることから、CIOよりも職責が拡大します。
CIOとCISOが別に設けられる企業もあれば、CIOが兼務している企業も見られます。
CFO(Chief Financial Officer):最高財務責任者
財務に関する業務執行を統括する役職です。財務面における経営戦略のトップとして、予算やコストの管理・資金調達などを担当します。
CFOには、財務・会計に関する専門知識に加えて、経営視点から財務戦略を立案して企業価値を向上させる能力や、高度なコミュニケーション能力なども求められます。なお、代表取締役がCFOを兼務しているケースも見られます。
CSO(Chief Strategy Officer):最高戦略責任者
経営陣とともに企業の戦略立案を行い、実行プロセスを構築する役職です。各事業部単位での戦略だけでなく、全社横断的で中長期的な戦略の立案も担い、これを通じてシナジー効果の獲得を図ります。
CSOは状況に応じてスピーディな判断が求められることから、幅広い知識・経験・スキルを持ち合わせている必要があります。
なお、同じ略称を用いているCxOには、以下のような役職が存在します。
- Chief Scientific Officer:最高科学責任者
- Chief Standardization Officer:最高標準化責任者
- Chief Security Officer:最高セキュリティ責任者
- Chief Sustainability Officer:最高サスティナビリティ責任者
CMO(Chief Marketing Officer):最高マーケティング責任者
マーケティングに関する業務を統括する役職です。市場や顧客の調査のほか、マーケティング戦略の策定・実行も担います。
CSMO(Chief Strategy & Marketing Officer):最高戦略・マーケティング責任者
CSO(最高戦略責任者)とCMO(最高マーケティング責任者)の役割を統括する役職です。
CBO(Chief Branding Officer):最高ブランディング責任者
企業のブランドマネジメントを統括する役職です。商品・サービスだけでなく、企業自体のブランディング戦略も担います。業務の具体例としては、ブランドの企画・開発・運用および、ブランドイメージを維持するための製品管理などの統括が挙げられます。
同じ略称を用いているCxOに、Chief Business Officer(最高営業責任者)があります。
CDO(Chief Design Officer):最高デザイン責任者
企業のデジタル技術の活用やデジタル変革推進などを統括する役職です。最新技術やIT化に向けた世間の動向などを踏まえて、その企業に最も適した形でデジタル技術を導入するための経営戦略を策定・実行する役割を担います。
同じ略称を用いているCxOに、Chief Data Officer(最高データ責任者)があります。
CHRO(Chief Human Resource Officer):最高人事責任者
人事に関する活動を統括する役職です。人事の専門知識や経営視点をもとに、採用・人材育成・人材の活用などに関する経営戦略を策定し、企業価値の向上を図ります。単なる人事部長とは違い、経営幹部としての視点から企業人事に関する業務を統括する点が特徴的です。
CKO(Chief Knowledge Officer):最高知識責任者
企業の有する知識やノウハウを組織内で共有し、企業価値の向上に生かす「ナレッジマネジメント」を統括する役職です。組織が重視するものや、必要とする知識などを把握したうえで、従業員に対して知識の想像や普及・意識改革を促していく役割を担います。
CAO(Chief Administrative Officer):最高総務責任者
経理や総務といった管理部門のトップとして業務を執行する役職です。一般的にはCEOのもとで業務を遂行するポジションであり、総務に関する業務執行の統括を主な役割としています。
具体的にいうと、株主総会や取締役会などの手続きを議事録に記録したり、保管が義務づけられている文書や書類などの管理を行ったりと、業務内容は多岐にわたります。そのほか、内部監査を実施する場合もあり、その結果にもとづいて業務を改善することも仕事内容の1つと考えられています。
なお、同じ略称を用いているCxOに、Chief Analytics Officer(最高分析責任者)があります。これは、アナリティクス(統計的・定量的手法を用いてデータを分析するプロセス)を用いて、より良い戦略立案をサポートする役職です。アナリティクスチーム・IT部門と利害関係部門を協力させ、戦略立案のサポートを行う役割を担います。
CLO(Chief Legal Officer):最高法務責任者
法務部門のトップとして、法的リスクを最小限に抑えるための指揮を執る役職です。ゼネラルカウンセルとも呼ばれています。CLOがその企業の法律顧問を兼ねるケースも多いです。
CLOの代表的な業務には、契約書作成・レビュー、法律問題へのアドバイス、法令・判例の調査、内部統制システムの構築、コンプライアンスの強化、法改正に伴う諸対応などが挙げられます。
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