是正処置とは、不適合(問題)の根本原因を特定し、その原因を取り除くことで、再発を防止するための処置です。つまり、発生してしまった問題に対して、応急処置ではなく、二度と同じ原因で問題が起こらないように、恒久的な対策を行うことを指します。
保守4種類と間違えやすいので注意!
システム保守における主な4種類は「是正保守(障害修正)」「予防保守(障害の未然防止)」「適応保守(環境変化への対応)」「完全化保守(機能・性能の改善)」です。これらの保守は、システムの安定稼働を維持し、将来のリスクを低減させ、継続的な品質向上を図るために不可欠な活動であり、JIS X 0161やISO/IEC/IEEE 14764でも定義されています。
是正処置の目的
- 再発防止::同じ不適合が再び発生しないようにすること。
- 根本原因の除去::問題の表層的な解決ではなく、原因そのものを取り除くこと。
具体例
- 製品の不具合の場合:不具合が発生した製品の製造プロセスを調査し、特定の作業手順の欠陥が原因だったと特定した場合、作業手順を改善し、作業員への再教育を行うなどの対策を講じます。
- 顧客からの苦情の場合:顧客からの苦情が発生する原因を分析し、品質管理システムにギャップがあった場合は、そのギャップを埋めるための改善策を立案・実施します。
「修正」との違い
是正処置は、発生した不適合自体を一時的に直す「修正」とは異なります。
- 修正:発生した不適合を直接的に取り除く応急的な処置(例:壊れた部品の交換)。
- 是正処置:不適合が発生した根本原因を取り除く恒久的な対策(例:部品の設計変更、製造プロセスの改善)。
予防処置との違い
- 是正処置::発生した不適合の原因を取り除き、再発を防止する。
- 予防処置::問題が発生する前に、リスクを評価してその原因を除去し、未然に問題を防止するための対策。
コメント