単一区画方式とは、コンピュータの主記憶装置(メモリ)全体を1つの大きな区画(パーティション)として扱い、そこに1つのプログラムだけをロードして実行する、最も単純なメモリ管理方式です。この方式では、複数のプログラムを同時に動かす「マルチプログラミング」はできず、利用効率が低いという欠点があります。
特徴
- 区画が1つ: メモリ全体が単一の領域として使われます。
- 1つのプログラムのみ: 1つの区画には1つのプログラムしか入れられないため、一度に実行できるのは1つだけです。
- マルチプログラミング不可: 複数のプログラムを同時に実行する(マルチプログラミング)ことはできません。
- 単純だが非効率: 実装は簡単ですが、プログラムサイズが区画より小さくても余った領域は使えず、メモリの利用効率が悪いです。
具体例
初期のコンピュータシステムや、現在のマルチタスクOS(Windows, macOS, Linuxなど)が普及する前の、非常に単純なOSで用いられていた方式です。
他の方式との比較
- 多重区画方式: メモリを複数の固定サイズや可変サイズの区画に分割し、複数のプログラムを同時にロードする方式(単一区画方式の発展形)。
- 仮想記憶方式: メモリが足りない場合に補助記憶装置(HDDなど)を仮想メモリとして使い、より大きなプログラムを実行可能にする方式(単一区画方式とは異なる、より高度な管理)。
単一区画方式は、メモリ管理の基本を理解するための概念として、基本情報技術者試験などのIT系資格試験でもよく出題されます。

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