到着順方式とは、コンピューターシステムでタスク(プロセス)を処理する際、実行可能状態になった順番(到着した順番)でCPUの利用を割り当てる最もシンプルで基本的なスケジューリング方式です。優先順位がなく、一度CPUを割り当てられたタスクは完了するまで(または次のタスクに奪われることなく)実行され続ける「ノンプリエンプティブ(非先取型)」方式であり、待ち行列の先頭から順番に処理されていきます。
特徴
- 公平性: 到着した順に処理されるため、公平に扱われますが、最初に到着したタスクが長時間の処理を要すると、後から来た短いタスクも待たされてしまいます(「コンビニエンス効果」や「ストラングリング」と呼ばれる問題)。
- シンプル: 実装が容易で理解しやすい方式です。
- ノンプリエンプティブ: 実行中のタスクが割り込まれることはありません。
他の方式との比較
- 優先順方式: タスクに優先度を付け、優先度の高いものから実行。優先度の高いタスクが到着すると実行を中断させることもあります(プリエンプティブ)。
- ラウンドロビン方式: 各タスクに一定時間(タイムクォンタム)を割り当て、時間切れで中断・再待ち行列入りさせる方式。到着順方式よりも短い応答時間を実現しやすいです。
具体例
「A」「B」「C」という3つのタスクが到着したとします。
- タスクAが到着し、CPUで実行開始。
- タスクB、Cが到着するが、Aが実行中なので待機。
- Aが終了。
- Bが到着順で次なので、BがCPUで実行開始。
- Bが終了。
- CがCPUで実行開始。
このように、到着した順番(A→B→C)で処理が進みます。

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