パイプラインハザードとは、CPUのパイプライン処理において、命令間の依存関係やハードウェア資源の競合などによって、パイプラインの効率が低下したり、処理が中断したりする状態のことです。
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パイプライン処理とは、CPUが複数の命令を同時に実行することで処理速度を向上させる技術です。しかし、命令間に依存関係があったり、複数の命令が同時に同じハードウェア資源を必要としたりすると、パイプラインの効率が低下したり、処理が中断したりする可能性があります。この状態をパイプラインハザードと呼びます。
パイプラインハザードには、主に以下の3種類があります。
- 構造ハザード:ハードウェア資源の競合によって発生するハザードです。例えば、複数の命令が同時に同じメモリにアクセスしようとする場合などです。
- データハザード:命令間のデータ依存性によって発生するハザードです。例えば、ある命令の結果を別の命令が使用する場合、結果が書き込まれる前に別の命令が読み込んでしまうと、誤ったデータを使用してしまいます。
- 制御ハザード:分岐命令などによって実行経路が変化する場合に発生するハザードです。分岐先が確定するまで、次の命令をパイプラインに流し込むことができず、処理が中断します。
これらのハザードを解消するためには、ハードウェアの工夫や、分岐予測などのソフトウェアによる対策が必要となります。
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