【応用情報技術者試験】ライブマイグレーション

ライブマイグレーションとは、稼働中の仮想マシン(VM)を、サービスを停止することなく別の物理サーバーへ瞬時に移動させる技術です。この技術は、ハードウェアのメンテナンスやロードバランシング(負荷分散)、ハードウェア障害への対応などで活用され、サービスの中断を最小限に抑えつつ、柔軟なシステム運用を可能にします。

ライブ マイグレーションの仕組みと利点

  1. ダウンタイムの回避:通常の移行では一度停止が必要ですが、ライブマイグレーションでは仮想マシンの稼働を継続したまま移行が完了するため、サービスへの影響が最小限になります。
  2. 継続的なサービス提供:メンテナンス時でも、ユーザーは仮想マシンの移動に気づくことなく、サービスを利用し続けることができます。
  3. 負荷分散とリソースの最適化:負荷の高いサーバーから、空きのあるサーバーへ仮想マシンを移動させることで、システム全体の負荷を均等化し、リソースを効率的に活用できます。
  4. ハードウェア保守の容易さ:仮想マシンを他のホストへ移動させることで、元の物理サーバーのハードウェア交換やファームウェア更新、OSのメンテナンスなどを、サービスを停止することなく実施できます。
  5. 障害発生時の対応:ハードウェア障害が検出された場合、Google Cloudなどのプラットフォームでは、インスタンスを自動的に別の正常なホストにライブマイグレーションし、サービス継続を試みます。

主なユースケース

  • 計画メンテナンス:サーバーのファームウェア更新やOSのパッチ適用、ハードウェアの交換などを行う際に、サービス停止を防ぎます。
  • ロードバランシング:サーバーの負荷状況に応じて、負荷の高い仮想マシンを空いているサーバーに移動させることで、パフォーマンスを維持します。
  • ハードウェア障害への対応:ハードウェア障害が検出されると、問題のあるサーバーへの影響を最小限に抑えるため、自動的に正常なサーバーへ仮想マシンを移行します。

注意点

  • ネットワーク要件:ライブマイグレーションを行うには、移行元と移行先の物理サーバーが同じネットワークセグメント(L2ネットワーク)に接続されていることが、基本的に必要です。
  • リソースの確保:移行先の物理サーバーには、移動する仮想マシンが使用するメモリ容量を確保できるリソースが必要です。
  • 「わずかなネットワーク瞬断」:移行の最後の段階で、わずかなネットワーク瞬断が発生する可能性があります。

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