リーク電流(漏洩電流)とは、電子回路において、本来電流が流れるはずのない絶縁部分や経路に漏れ出す電流のことです。集積回路の微細化に伴い、リーク電流が増加し、消費電力の増大や誤作動の原因となるため、近年注目されています。
リーク電流の主な原因:
- 量子トンネル効果:薄い絶縁層を電子が通り抜ける現象で、特に半導体の微細化に伴い発生しやすくなります。
- 浮遊容量:回路内の部品間のわずかな容量によって、電流が漏れ出す現象です。
- 絶縁体の劣化:絶縁体の劣化や汚染、湿気などもリーク電流の原因となります。
リーク電流の影響:
- 消費電力の増加:本来使われるべきでない電流が流れるため、無駄な電力消費が発生します。
- 発熱:消費電力の増加に伴い、回路や機器の発熱が増加し、故障の原因となる場合があります。
- 誤作動:微小な電流によって、回路の動作が不安定になったり、誤作動を引き起こしたりする可能性があります。
- 感電リスク:漏洩電流が人体に流れると、感電の危険があります。
- ノイズ発生:リーク電流がノイズ源となり、他の回路に影響を与える可能性があります。
リーク電流対策:
- 低消費電力設計:回路設計段階で、リーク電流を抑制する工夫を施します。
- 絶縁材料の改善:絶縁材料の性能を向上させ、リーク電流を抑制します。
- ノイズ対策:ノイズフィルターやシールドなどを用いて、リーク電流によるノイズの影響を軽減します。
- 定期的なメンテナンス:絶縁状態を定期的にチェックし、劣化が見つかった場合は交換を行います。
リーク電流と漏電の違い:
リーク電流は、回路内部で意図しない場所に電流が流れる現象を指します。一方、漏電は、回路の外に電流が流れる現象を指します。
リーク電流の測定:
リーク電流は、専用の測定器 (クランプメーターなど) を使用して測定します。
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