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【応用情報技術者試験】M&A

M&Aとは

M&Aの意味は、文字通り「企業の合併・買収」のことで、2つ以上の会社がひとつになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)です。 つまり、企業または事業の全部または一部の移転を伴う取引を指し、一般的には「会社もしくは経営権の取得」を意味します。

垂直統合型

垂直統合とは、企業が製品やサービスの企画、開発、製造、販売といった一連の工程を、自社で一括して行う戦略のことです。これにより、コスト削減、品質管理の向上、競争優位性の確立などが期待できます。

より詳しく説明すると:

垂直統合は、企業が製品やサービスを顧客に届けるまでの流れ(サプライチェーン)を、自社の管理下に置くことを意味します。例えば、アパレルメーカーが、生地の調達から縫製、デザイン、店舗での販売まで、全て自社で行うようなイメージです。

垂直統合のメリット:

  • コスト削減:中間業者への支払いや、外部委託にかかる費用を削減できます。
  • 品質管理:自社で一貫して管理することで、品質をより高いレベルで維持できます。
  • 競争優位性:他社にはない独自のサプライチェーンを構築することで、競争力を高められます。
  • 安定供給:外部の供給状況に左右されず、安定的に製品を供給できます。

垂直統合のデメリット:

  • 初期投資:設備投資や人材確保など、多額の初期費用がかかる場合があります。
  • 柔軟性の低下:変化の激しい市場に対応するのが難しくなる場合があります。
  • 経営資源の分散:専門外の分野に進出することで、経営資源が分散する可能性があります。

垂直統合の種類:

  • 川上統合:原材料の調達など、サプライチェーンの上流工程を自社で行うこと。
  • 川下統合:流通や販売など、サプライチェーンの下流工程を自社で行うこと。
  • 完全統合:川上から川下まで、全ての工程を自社で行うこと。

水平統合との違い:

垂直統合とは対照的に、水平統合は、同業他社と協力して事業を拡大する戦略です。例えば、複数の自動車メーカーが共同で部品を開発したり、販売網を共有したりするなどが挙げられます。

垂直統合の事例:

  • 自動車メーカー:車の設計、製造、販売までを自社で行う。
  • アパレルメーカー:生地調達、デザイン、縫製、店舗販売までを自社で行う。
  • IT企業:ハードウェア開発、ソフトウェア開発、販売までを自社で行う。

垂直統合は、企業戦略として有効な手段の一つですが、メリットとデメリットを理解した上で、自社の状況に合わせて検討する必要があります。

水平統合型

水平統合とは、同じ業種の企業同士が合併や買収(M&A)などによって統合することです。これにより、市場シェアの拡大やコスト削減、競争力強化などを目指します。

具体的には:

  • 同業他社との統合:例えば、自動車メーカーが別の自動車メーカーを買収したり、複数のゲーム会社が合併したりする場合などが水平統合にあたります。
  • スケールメリットの追求:統合によって生産規模が大きくなり、大量生産によるコスト削減や、仕入れ価格の交渉力強化などが期待できます。
  • 市場シェアの拡大:統合により、市場におけるシェアが拡大し、業界内での競争優位性を確立できます。
  • 重複機能の削減:統合によって、重複する部門や機能を削減し、効率化を図ることができます。

水平統合のメリット:

  • コスト削減:大量生産や仕入れによるコスト削減、重複機能の削減など。
  • 競争力強化:市場シェアの拡大、競争優位性の確立。
  • 事業の効率化:統合による業務効率化、重複部門の削減。

水平統合のデメリット:

  • 独占禁止法のリスク:市場シェアが大きくなりすぎると、独占禁止法に抵触する可能性があります。
  • 統合後の課題:異なる企業文化を持つ従業員の統合、組織風土の調和など。

水平統合と垂直統合の違い:

水平統合が「同じ業種の企業同士の統合」であるのに対し、垂直統合は「製品やサービスの生産・販売に関わる異なる工程の企業同士の統合」を指します。例えば、自動車メーカーが部品メーカーを買収する場合などが垂直統合にあたります。

水平統合の例:

自動車メーカー同士の合併、銀行同士の合併、航空会社同士の合併、ゲーム会社同士の合併、 小売店同士の合併。

水平統合は、企業が成長戦略の一環として、市場での競争力を高めるための有効な手段の一つです。

独占禁止法について詳しく知りたい方はこちら

混合型

  • 概要:垂直統合と水平統合の両方の要素を組み合わせた戦略です。
  • 目的:
    • サプライチェーンの最適化と、市場シェアの拡大を同時に実現する。
    • 特定の分野での競争力を強化しつつ、全体的な効率性を向上させる。
  • 例:
    • 自動車メーカーが、部品メーカーを買収しつつ、競合する自動車メーカーとも提携する。
    • IT企業が、自社のソフトウェアを強化するために、関連技術を持つ企業を買収しつつ、競合するソフトウェア会社とも提携する。

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