BASE特性とは、「Basically Available(基本的に利用可能)」「Soft state(柔軟な状態)」「Eventually consistent(結果整合性)」の3つの頭文字をとったもので、分散システムで可用性を最優先するための設計思想です。これは、トランザクション処理で厳格な一貫性を保証するACID特性とは対照的に、システム全体の可用性を優先し、最終的な結果として整合性が保たれればよいとするアプローチです。
BASE特性の詳細
- Basically Available(基本的に利用可能):システムの一部に障害が発生しても、サービス全体は継続して利用できる状態を保ちます。厳密な一貫性を保持するために処理を一時停止するのではなく、いつでも応答を返すことを優先します。
- Soft state(柔軟な状態):システムの状態は常に一貫しているとは限らず、一時的な不整合が許容されます。データの更新は非同期的に伝播するため、状態が確定していない場合があります。
- Eventually consistent(結果整合性):システムの状態は即時には一貫していませんが、一定の時間が経過すればすべてのノードで最終的に一貫した状態になることを保証します。
特徴
- 可用性重視:ACID特性のように厳密なトランザクション管理を行わないことで、高い可用性とスケーラビリティを実現します。
- 適した用途:大規模なデータ処理や、クラウドベースのアプリケーション、ビッグデータ処理など、システム全体の可用性が重要な場面で活用されます。
- ACIDとの関係:BASE特性とACID特性は相反するものではなく、ACID特性を満たすシステムはBASE特性も満たしているという関係性があります。

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