BLE(Bluetooth Low Energy)は、Bluetooth規格に追加された低消費電力の無線通信技術です。Bluetooth Classicよりも大幅に消費電力を抑えることで、スマートフォンやフィットネス機器、スマートホームデバイス、ビーコン(情報発信器)など、バッテリーで動作する様々なIoTデバイスの電池寿命を長くしたり、小型化したりすることを可能にします。
BLEの主な特徴
- 低消費電力:BLEデバイスはほとんどの時間をスリープモードで過ごし、必要な時だけ起動して通信するため、電力消費を最小限に抑え、バッテリー駆動時間を大幅に延長できます。
- IoT・ウェアラブルデバイスでの利用:低電力ながら安定した通信が可能であるため、ワイヤレスヘッドセット、マウス、キーボード、スマートウォッチ、スマートロック、健康管理機器など、幅広いIoTデバイスで活用されています。
- ビーコンシステム:不特定多数に情報を発信するBLEビーコンは、お店の前に設置して来店促進やクーポン配布に利用されるなど、位置情報サービスでも活躍しています。
- Bluetooth 4.0で策定:2009年にBluetooth 4.0規格の一部として登場し、Bluetooth Classicとは異なる低消費電力に特化した通信方式です。
- 「セントラル」と「ペリフェラル」:通信の制御を行う「セントラル(マスター、例:スマートフォン)」と、要求に応える「ペリフェラル(スレーブ、例:BLEデバイス)」の2つの役割を持つデバイス間で通信が行われます。
BLEの仕組みのポイント
- アドバタイジングチャンネルとデータチャンネル:デバイスを発見・接続するための「アドバタイジングチャンネル」と、実際のデータ送受信を行う「データチャンネル」が用意されており、効率的に通信します。
- 省電力モード:通信していない間はスリープ状態になり、通信が必要になった時にだけ活動する仕組みです。
- ペアリングによる暗号化:通信内容を傍受されないよう、ペアリング機能で通信内容を暗号化してセキュリティを高めることができます。
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