DV(ドメイン認証)証明書とEV(拡張認証)証明書の主な違いは、「認証レベル」にあります。EV証明書は、ドメインの使用権だけでなく、サイトを運営する組織の厳格な実在性確認を行うため、最も高い信頼性を持ちます。一方、DV証明書はドメインの使用権のみを確認し、組織の実在性確認は行わないため、信頼度は低くなります。
認証レベルと確認される内容
- DV証明書 (Domain Validation)
- 認証内容:Webサイトが使用するドメインの所有権(使用権)のみを確認します。
- 確認プロセス:ドメイン所有者の確認のみであり、手続きは比較的容易です。
- 信頼度:3種類の中で最も低く、個人サイトやブログなどに適しています。
- OV証明書 (Organization Validation)
- 認証内容:DV証明書でのドメイン所有権の確認に加え、サイトを運営する組織(企業・団体)の存在と、その組織の名称、所在地、電話番号などの確認を行います。
- 確認プロセス:組織の登記情報や物理的な存在確認が含まれ、発行に時間がかかります。
- 信頼度:中程度で、個人情報を取り扱うECサイトや金融機関のサイトに適しています。
- EV証明書 (Extended Validation)
- 認証内容:DV・OVの確認項目すべてに加え、さらに厳格な審査を行います。これには、組織の登録番号、管轄、営業実績の検証などが含まれます。
- 確認プロセス:数多くの審査項目があり、最も複雑で時間のかかる発行プロセスです。
- 信頼度:最も高く、ブランドイメージの保護や、より高度な信頼性が求められるサイト(銀行など)で利用されます。
重要なポイント
- 暗号強度の違いはない:DV、OV、EVは認証レベルの違いであり、証明書の暗号強度(暗号化の強さ)に違いはありません。
- ユーザーへの表示の違い:多くのブラウザでは、EV証明書が発行されたサイトではアドレスバーに企業名が表示されるなど、ユーザーがサイトの信頼性を視覚的に確認できるようになっています。
- フィッシング対策:DV証明書はドメインの使用権のみを証明するため、偽サイトに悪用されるリスクがあります。EV証明書は組織の実在性も証明するため、より安全なサイト運営につながります。
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