【応用情報技術者試験】ノンサンプリングリスク

ノンサンプリングリスクとは、監査人が、サンプリング(抽出した一部の項目を調査する手法)に関連しない理由で、誤った結論を導くリスクのことです。つまり、サンプリングによるリスク(サンプリングリスク)とは別の、監査手続の選択や実施、証拠の解釈の誤りなどによって生じるリスクを指します。

具体的には、以下の例が挙げられます。

  • 不適切な監査手続の選択:例えば、本来は詳細な分析が必要な取引に対して、スクリーニング程度の簡単な手続しか実施しなかった場合、重要な虚偽表示を見落とす可能性があります。
  • 監査証拠の誤った解釈:監査人が入手した証拠を正しく理解・評価できず、誤った結論を導いてしまう場合です。例えば、内部統制の不備を示す証拠を、たまたま発生した例外的な事象として軽視してしまうような場合です。
  • サンプリング以外の原因による不正の発見漏れ:監査人が、サンプリングで抽出した範囲外の不正行為を発見できなかった場合も、ノンサンプリングリスクに含まれます。例えば、サンプリングで抽出した期間外に発生した不正や、抽出したサンプルとは異なる方法で行われた不正などです。

ノンサンプリングリスクは、サンプリングの有無に関わらず、監査人が常に考慮すべきリスクです。監査人は、監査手続の選択や実施、証拠の評価など、あらゆる場面で、ノンサンプリングリスクを低減するための注意を払う必要があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました