WAF (Web Application Firewall) と ファイアウォール (Firewall) はどちらもセキュリティ対策ですが、保護対象と機能が異なります。ファイアウォールはネットワークレベルで不正なアクセスをブロックするのに対し、WAFはWebアプリケーションを狙った攻撃を防御します。
ファイアウォール (Firewall)
- ネットワークレベルで不正なアクセスをブロックする。
- IPアドレス、ポート番号、プロトコルなどの情報に基づいて通信を制御する。
- ネットワーク全体のセキュリティを保護する。
- 例:社内ネットワークへの不正アクセスをブロックする。
WAF (Web Application Firewall)
- Webアプリケーションを狙った攻撃を防御する。
- SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングなどのWebアプリケーション固有の攻撃を検出し、阻止する。
- Webアプリケーションへのリクエスト内容を詳細に検査する。
- 例:Webサイトへの不正なアクセスをブロックする。
まとめると
比較項目 | ファイアウォール | WAF |
---|---|---|
保護対象 | ネットワーク全体 | Webアプリケーション |
保護対象のレイヤー | OSI参照モデルの第3~4層 (ネットワーク層) | OSI参照モデルの第7層 (アプリケーション層) |
主な機能 | 不正アクセス、不正な通信の遮断 | Webアプリケーションへの攻撃の防御 |
検査内容 | IPアドレス、ポート番号、プロトコルなど | リクエスト内容 (ヘッダー、パラメータなど) |
攻撃の種類 | ネットワークレベルの攻撃 | Webアプリケーション固有の攻撃 |
WAFとファイアウォールの使い分け
ファイアウォールはネットワーク全体のセキュリティを確保するために必要不可欠なツールです。一方、WAFはWebアプリケーションを狙った攻撃からWebサイトを守るために使用されます。Webアプリケーションを公開している場合は、ファイアウォールとWAFの両方を導入することで、より強固なセキュリティ対策を構築できます。
その他
- 次世代ファイアウォール (NGFW): ファイアウォールにIPS (不正侵入防御システム) やアプリケーション制御機能などを統合した製品。
- WAAP (Web Application and API Protection): WAFに加え、APIセキュリティやBot対策などの機能を統合した製品。
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