IEEE 802.11acは、無線LANの規格の一つで、Wi-Fiの第5世代に位置づけられます。より高速なデータ通信を実現するために、従来の802.11n (11n)からいくつかの点で変更されています。主な特徴は、5GHz帯の周波数帯域を使用し、理論上の最大通信速度が6.9Gbpsに達することです。また、複数のアンテナを使用するMIMO技術や、より多くのデータを一度に送信できる256QAM変調方式を採用することで、高速化を実現しています。
IEEE 802.11acの主な特徴:
- 高速化:802.11acは、802.11nよりも高速な通信速度を実現します。理論上の最大速度は6.9Gbpsに達し、これは11nの約11.5倍に相当します。
- 5GHz帯の利用:802.11acは、2.4GHz帯よりも電波干渉が少ない5GHz帯を使用します。これにより、より安定した高速通信が可能になります。
- MIMO技術:複数のアンテナを使用してデータを同時に送受信するMIMO技術をサポートしており、これにより通信速度が向上します。
- 256QAM:変調方式として256QAMを採用し、1つの信号でより多くのデータを送信できるようになりました。これにより、データ転送効率が向上します.
- チャネルボンディング:複数のチャネルを束ねて利用することで、より広い帯域幅を確保し、高速化を実現します.
- 下位互換性:802.11acは、従来の802.11a/nとの下位互換性があります。
IEEE 802.11acの利用:
- 高速なインターネット接続:光回線などの高速な回線を利用している場合、11ac対応のWi-Fiルーターを導入することで、快適なインターネット環境を実現できます。
- 大容量データの転送:高速な通信速度により、大容量データの転送や、高画質の動画視聴などがスムーズに行えます。
- 複数のデバイス接続:複数のデバイスを同時に接続しても、安定した通信を維持できます。
注意点:
- 11ac対応のWi-Fiルーターと、11acに対応したデバイスを組み合わせて使用する必要があります。
- 5GHz帯は、2.4GHz帯に比べて障害物の影響を受けやすく、電波が届きにくい場合があります。
- 一部の11ac対応ルーターでは、拡張チャネルボンディング機能を使用する際に、他の無線LAN機器との干渉が発生する可能性があります。
IEEE 802.11acは、無線LANの通信速度と安定性を大幅に向上させた規格であり、快適なインターネット環境を構築するために重要な役割を果たしています。
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