FPGA(Field Programmable Gate Array)は、ユーザーが現場で後から内部の論理回路を書き換えたり変更したりできる集積回路(IC)です。本来の用途に合わせて専用のハードウェア回路を自由に構成できるため、並列処理による高速化、低消費電力、仕様変更への柔軟な対応が可能となり、家電製品から自動車、通信機器、AI分野まで幅広い産業で活用されています。
FPGAの仕組みと特徴
- プログラム可能な論理回路:FPGA内部には、論理的な処理を行うための「コンフィギュラブル・ロジック・ブロック(CLB)」と、これらを接続する「プログラム可能な配線」が敷き詰められています。
- ハードウェアの再構成:設計者は、これらのブロックをプログラムによって自由に接続し、目的の機能を持つ専用のハードウェア回路を構築します。これは、CPUが命令を読み込むのとは異なり、回路自体を作り変えることができる点が特徴です。
- 柔軟な仕様変更:製品に搭載した後でも、回路構成のデータを書き換えることで機能の追加、修正、バグの修正が可能です。
FPGAのメリット
- 高速・並列処理:ソフトウェアでは難しい、真の並列処理によるデータ処理や高速演算が可能です。
- 低消費電力・低遅延:必要な回路のみを組み込むため、効率が良く、低消費電力かつ低遅延なシステムを構築できます。
- 柔軟性・迅速な開発:製品出荷後でも回路を変更できるため、仕様変更や機能追加に柔軟に対応でき、プロトタイプ開発にも適しています。
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