EJB(エンタープライズ JavaBeans)は、Java EE (旧J2EE) プラットフォームにおけるサーバーサイドのコンポーネント技術です。ビジネスロジックを再利用可能なコンポーネントとして実装するための仕組みを提供し、開発者はトランザクション管理やセキュリティなどのインフラ部分を意識せずに、ビジネスロジックの実装に集中できます。
サーバーサイド
Webサイトやアプリケーションにおいて、ユーザーからは直接見えないサーバー側で行われる処理や機能のことです。具体的には、データベースの操作、ユーザー認証、リクエストに応じたデータ提供などが含まれます。
EJB の特徴
- コンポーネント化:ビジネスロジックを再利用可能なコンポーネントとしてカプセル化します。
- 分散処理:ネットワークを介してアクセス可能な分散アプリケーションを構築できます。
- トランザクション管理:トランザクションの開始、コミット、ロールバックなどを自動的に処理します。
- セキュリティ:認証、認可などのセキュリティ機能を実装できます。
- コンテナ:EJBコンテナが、ライフサイクル管理やリソース管理などのインフラ部分を担います。
EJB の種類
- Session Bean:クライアントとの対話を管理し、ビジネスロジックの実装に使用されます。ステートレスとステートフルの2種類があります。
- Entity Bean:データベースなどの永続データを表現し、データアクセスや永続化のロジックを実装します。EJB 3.0以降では、JPA (Java Persistence API) を使用したEntityクラスが推奨されています。
- Message-Driven Bean:非同期メッセージングを処理し、JMS (Java Message Service) などのメッセージングシステムと連携します。
EJB の歴史と現状
- EJBは、Java EE (旧J2EE) の主要な技術の一つとして、エンタープライズアプリケーション開発を支えてきました。
- EJB 3.0以降では、アノテーションやJPAの導入など、よりシンプルで使いやすい仕様に進化しました。
- 現在、Jakarta EE (旧Java EE) では、コンポーネント化の主役はCDI (Contexts and Dependency Injection) に移りつつあり、EJBは役割を終えつつあるという見方もあります。
EJBは、Java EE 5以降ではアノテーションやCDIとの連携により、よりシンプルで使いやすくなりました。しかし、EJBの仕様を理解し、適切に活用するためには、ある程度の知識と経験が必要です。
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