製造物責任法(PL法)は、製品の欠陥によって消費者の生命、身体、または財産に損害が発生した場合、製造業者などが損害賠償責任を負うことを定めた法律です。
PL法の概要:
- 目的:製品の欠陥による被害から消費者を保護し、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することです。
- 対象となる製品:製造または加工された動産が対象です。具体的には、工業的に大量生産された製品や、加工された農林畜水産物などが該当します。
- 欠陥の定義:製品が通常有すべき安全性を欠いている状態を指します。製品の特性、使用状況、製造時期などを考慮して、個別具体的に判断されます。
- 損害賠償責任:製造物責任法では、製造業者は、製品の欠陥によって生じた損害を賠償する責任を負います.
- 立証責任:消費者は、製品に欠陥があったこと、損害が発生したこと、そしてその欠陥と損害の間に因果関係があることを証明する必要があります。
PL法の特徴:
- 被害者の保護:製造業者に過失がなくても、製品の欠陥があれば損害賠償責任を負うため、被害者の救済を重視しています。
- 立証責任の軽減:民法上の不法行為責任を追及する場合と比べて、消費者の立証責任が軽減されています。
PL法に関する注意点:
- 損害賠償の範囲:製造物についてのみ生じた損害は除きますが、欠陥によって通常生ずべき損害や、予見可能な特別損害は含まれます。
- 時効:損害賠償請求権は、被害者が損害と賠償義務者を知った時から3年間、または製造業者が製品を引き渡した時から10年間で時効によって消滅します。
- 民法の適用:製造物責任法で規定されていない事項については、民法の規定が適用されます。
PL法は、消費者の安全を守るための重要な法律であり、製造業者や販売業者だけでなく、消費者自身もその内容を理解しておくことが大切です。
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