移行判定基準書は、システムやサービスを本稼働(カットオーバー)に移行できる状態にあるかを判定するための基準を定めた書類です。品質、機能、ユーザーの準備状況、運用体制、そして万が一問題が発生した場合の対応計画などを総合的に評価し、プロジェクト関係者が移行の可否を判断するために使用されます。
目的と内容
- 判定の明確化:移行の可否を判断するための具体的な基準を示すことで、関係者間での合意形成を促し、判断のばらつきを防ぎます。
- 品質の確保:システムの品質が一定の水準に達しているかを確認し、本稼働後の問題を最小限に抑えます。
- 計画通りの移行:開発・テストの進捗状況、利用者の教育、運用体制の準備状況などを確認し、スケジュール通りに移行を進められるかを判断します。
- リスク管理:移行時に予期せぬトラブルが発生した場合の対応計画が策定されているかを確認し、迅速かつ適切な対応ができるように備えます。
作成・使用するタイミング
- 開発の終盤、システム全体のテストが行われるタイミングで作成されます。
- 開発プロジェクトの関係者が集まる移行判定会議で、この基準書に基づき進捗を確認し、本稼働の可否が判断されます。
関連する言葉
- カットオーバークライテリア:システムを本稼働に移行する基準のことです。移行判定基準書とほぼ同義で使われることがあります。
- リリース判定基準書:「移行判定基準書」と似た用語で、リリースしても問題ないかを判定する条件を記述した書類です。
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