標準偏差は、正規分布においてデータのばらつきの度合いを示す指標です。正規分布は平均値を中心に左右対称の釣鐘型の分布で、標準偏差が大きいほど分布の山が低く左右に広がり、小さいほど山が高く尖った形になります。具体的には、正規分布では平均値から±1標準偏差の範囲にデータ全体の約68%、±2標準偏差の範囲に約95%、±3標準偏差の範囲に約99.7%が含まれる「68-95-99.7ルール」と呼ばれる性質があります。
標準偏差と正規分布の関係
- ばらつきの尺度:標準偏差(σ)は、データが平均値(μ)からどれだけ離れて分布しているかを示す尺度であり、正規分布の広がり具合を定量的に表します。
- 分布の形状:
- 大きな標準偏差:データが平均値から広く散らばっていることを示し、正規分布のグラフは低く平らな形になります。
- 小さな標準偏差:データが平均値の近くに集中していることを示し、正規分布のグラフは高く尖った形になります。
- 正規分布の特性:標準偏差を用いることで、正規分布に従うデータの多くが特定の範囲内に収まるという特性が利用できます。
代表的な性質(68-95-99.7ルール)
正規分布では、平均値(μ)を中心とした特定の範囲に、データの大部分が収まることが知られています。
- ±1標準偏差:データ全体の約68%が含まれます。
- ±2標準偏差:データ全体の約95%が含まれます。
- ±3標準偏差:データ全体の約99.7%が含まれます。
この性質は、企業の製品品質管理など、データのばらつきを評価する際に広く活用されています。
補足:標準正規分布と標準化
- 標準正規分布:平均値が0で、標準偏差が1の正規分布であり、あらゆる正規分布をこれに変換して確率を計算することが可能です。
- 標準化:任意の正規分布のデータを、標準正規分布に変換する操作を指します。これにより、異なる正規分布のデータを比較しやすくなります。
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