密結合マルチプロセッサシステムとは、複数のプロセッサが主記憶装置(メモリ)を共有し、単一のオペレーティングシステム(OS)によって制御されるマルチプロセッサシステムのことです。それぞれのプロセッサがメモリを共有するため、プロセッサ間のデータ連携が高速に行え、並列処理に適しています。しかし、メモリへのアクセス競合が発生しやすく、プロセッサ数を増やすと性能向上が頭打ちになる可能性があります。
詳細:
- 共有メモリ:複数のプロセッサが同じメモリ空間を共有するため、データのやり取りが高速に行えます。
- 単一OS:全てのプロセッサが同じOSによって制御されるため、プロセッサ間の連携がスムーズに行えます。
- 並列処理:複数のプロセッサが同時に異なる処理を行うことで、全体の処理能力を向上させることができます。
- メモリ競合:複数のプロセッサが同時にメモリにアクセスしようとすると、競合が発生し、処理速度が低下する可能性があります。
- アムダールの法則:プロセッサ数を増やしても、メモリへのアクセスがボトルネックとなり、性能向上が頭打ちになることがあります。
- SMP (Symmetric Multi-Processing):密結合マルチプロセッサシステムは、通常、各プロセッサが対等な立場で処理を行うSMP構成をとることが多いです。
例:
- メインフレームやUNIXサーバー:高い処理能力と信頼性が求められるシステムで、密結合マルチプロセッサシステムが採用されることがあります。
- マルチコアプロセッサ:1つのCPUパッケージに複数のコアが搭載されたマルチコアプロセッサも、密結合マルチプロセッサの一種とみなされることがあります。
疎結合マルチプロセッサシステムとの比較:
- 疎結合マルチプロセッサシステム:各プロセッサが独立したメモリとOSを持ち、プロセッサ間でメッセージパッシングなどを用いて連携します。
- 密結合と疎結合:密結合は高速な処理が可能ですが、メモリ競合が発生しやすく、疎結合は独立性が高いですが、処理速度は密結合に劣ります。
コメント