実表と導出表は、リレーショナルデータベースにおけるデータの表現形式の違いです。実表はデータベースに実際に保存されている表で、導出表はSQLの問い合わせによって実表から得られる仮想的な表のことです。導出表は実データを持たず、参照や更新のたびに実表に対して操作を行い結果を生成します。
実表 (Base Table, Physical Table)
- データベースに実際にデータが格納されている表です。
- データを永続的に保持し、更新や削除などの操作が可能です。
- 例:顧客情報テーブル、商品情報テーブルなど。
導出表 (Derived Table, Virtual Table)
- SQLの問い合わせによって実表から作成される仮想的な表です。
- 実データを持たず、問い合わせの結果を一時的に表形式で表現します。
- 例:特定の条件で絞り込んだ顧客情報、複数のテーブルを結合した結果など。
- ビュー (View) は、導出表に名前を付け、実表のように参照できるようにしたものです。
関係
- 導出表は、実表に対する関係演算(射影、選択、結合など)や集合演算によって作成されます。
- 導出表は、実表のデータの一部を抽出したり、複数の実表を組み合わせて新たな情報を生成したりするために使用されます。
- 導出表は、実表のデータを変更することなく、参照や集計を行う際に便利です。
具体例
例えば、顧客テーブルと注文テーブルがある場合、
- 顧客テーブル、注文テーブルは実表です。
- 「2024年1月1日以降に注文があった顧客の情報を表示する」というSQLクエリを実行すると、その結果は導出表として扱われます。
- この導出表に名前を付けてビューとして保存すれば、次回から「顧客テーブル」や「注文テーブル」と同じように参照できます。
まとめ
実表はデータベースに保存されている実際のデータ、導出表はSQLクエリによって実表から得られる仮想的なデータです。導出表は、実表のデータを参照したり、集計したりする際に便利で、ビューとして保存することで、より効率的にデータを活用できます。
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