ワームのIT上の特徴は、「自己増殖能力」と「宿主ファイルが不要なこと」の2つで、これによってユーザーの操作なしにネットワークを介して急速に感染を拡大します。ウイルスとは異なり単体で活動するため、システムに過負荷をかけたり、IoT機器を含むネットワーク全体に被害を広げたりする特性があります。感染防止には、セキュリティソフトの導入やシステムの定期的な更新、ネットワークの脆弱性対策、そして従業員教育が重要です。
ワームの主な特徴
- 自己増殖能力:ワームは自身のコピーを複数作成し、感染を広げていく機能を持っています。
- 宿主が不要な自立性:一般的なウイルスと異なり、他のソフトウェアやファイルに寄生する必要がありません。単体でプログラムとして存在し、システムに侵入・活動します。
- ユーザー操作なしの自律的な拡散:ネットワークの脆弱性を突き、メールの添付ファイルやネットワーク経由で自動的に感染を拡大させます。
- ネットワークを介した感染拡大:感染したコンピュータから他のコンピュータへ自己のコピーを送り込み、ネットワークを介して急速に広まります。
- 多様な感染対象:コンピューターだけでなく、サーバ、プリンタ、IoT機器など様々なネットワーク機器に感染が拡大する可能性があります。
ワームの被害
- システム負荷の増大:自己増殖を繰り返すことで、CPUや記憶領域の容量を圧迫し、デバイスの動作遅延や機能停止を引き起こすことがあります。
- ボットネットの形成:ワームが仕込まれた多数の機器を乗っ取り、一斉攻撃を行うためのボットネットを形成する手段として悪用されます。
- 他のマルウェアの誘導:感染したコンピュータのバックドア(裏口)を開け、別のマルウェアをインストールさせる誘導を行うこともあります。
感染防止策
- セキュリティソフトの導入と更新:最新の定義ファイルに更新されたセキュリティソフトを導入し、ワームの侵入や感染を検知・駆除します。
- システムとソフトウェアの更新:オペレーティングシステムやアプリケーションの脆弱性を修正するために、提供されるアップデートを常に適用します。
- ゼロトラスト型セキュリティ対策:ネットワーク内外を問わず、全ての通信を信頼しないゼロトラスト型のセキュリティ対策を導入し、不正アクセスを防ぎます。
- 従業員教育と意識向上:不審なメールの添付ファイルを開かない、信頼できないWebサイトにアクセスしないなど、従業員に対する教育が重要です。
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