マネジメントにおける「ベースライン」とは、プロジェクトの承認済みの計画を指し、プロジェクトの進捗状況を評価するための基準線となるものです。具体的には、スケジュール、コスト、スコープ(範囲)といった要素で設定され、プロジェクトの開始時点の計画値が「ベースライン」として設定されます。プロジェクト進行中に実績値とベースラインを比較することで、計画からの逸脱を発見し、遅延や予算超過を防ぎ、適切な対応をとることが可能になります。
ベースラインの役割と重要性
- 進捗の評価:実際の実績値とベースラインを比較することで、プロジェクトが計画通りに進んでいるかを客観的に評価できます。
- 問題の早期発見:スケジュールや予算が計画から遅れている、あるいは計画値とずれている場合に早期に発見し、早急な是正措置をとるための判断材料になります。
- 変更管理の基準:プロジェクトの変更を管理する際に、正式な承認を得たベースラインが変更の基準となり、計画への影響を評価するのに役立ちます。
- ステークホルダー間の合意形成:承認された計画がベースラインとなるため、関係者間の認識のズレを防ぎ、円滑なコミュニケーションと合意形成を促進します。
ベースラインの種類(例)
プロジェクトマネジメントでは、以下の要素でベースラインが設定されます:
- スケジュールベースライン:プロジェクトの各タスクの開始日・終了日や全体の完了期限などの基準。
- コストベースライン:資源への割り当てや推定総コストなどの予算の基準。
- スコープベースライン:プロジェクトの具体的な目標、成果物、および作業範囲などの基準。
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