関係データベースのビューは、1つ以上の実テーブルから必要な情報を選び出して作成される仮想的なテーブルです。ビューは実際のデータを持たず、基となるテーブルにアクセスするためのSELECT文を定義しておくことで、あたかも単一のテーブルのように扱えます。これにより、複雑なクエリを簡略化したり、ユーザーごとにアクセスできる情報を制限したりできます。
ビューの主な特徴
- 仮想的な存在:物理的なデータは格納されていません。ビューの内容は、ビューが参照する基になるテーブルから動的に取得されます。
- SELECT文で定義:
CREATE VIEW文を使って、どのようなデータ(列や行)を表示するかをSELECT文で定義します。 - データ操作:ビューに対する操作(INSERT、UPDATE、DELETEなど)は、基になるテーブルに対して行われますが、これはビューの定義に依存します(更新可能でないビューもあります)。
- セキュリティの向上:ユーザーに基になるテーブルへの直接アクセスを許可せず、必要な情報だけを抽出したビューにアクセス権限を付与することで、セキュリティを強化できます。
- 複雑なクエリの簡略化:複数のテーブルを結合するなどの複雑なクエリをビューとして作成しておけば、そのビューを利用するだけで簡単に目的のデータにアクセスできます。
ビューの例
たとえば、「社員テーブル」「部署マスタ」「課マスタ」という複数のテーブルがあるとします。これらのテーブルを結合して「営業部の社員一覧」というビューを作成することで、毎回3つのテーブルを結合するクエリを実行しなくても、SELECT * FROM 営業部社員ビューのような簡単なクエリで済ませられます。

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