パワーゲーティングとは、半導体集積回路(LSI)において、動作していない回路ブロックへの電源供給を一時的に遮断することで、リーク電流の発生を防ぎ、消費電力を削減する低消費電力技術です。電源を遮断することで、不要な電力消費を抑制する仕組みです。
仕組みと目的
- 電源供給の遮断:回路の一部が使用されていない際に、そのブロックへの電力の供給を完全に止めることで、待機時にも発生するリーク電流による電力消費を削減します。
- リーク電流の抑制:集積回路の微細化に伴い増大するリーク電流を効果的に抑制し、LSI全体の電力効率を向上させます。
他の低消費電力技術との違い
- クロックゲーティングとの比較:クロックゲーティングが、動作していない回路ブロックへのクロック信号の供給を止めるのに対し、パワーゲーティングはさらに一歩進んで、電源供給自体を遮断する点で異なります。
パワーゲーティングの種類
- 細粒度型(fine grained):各セルの電源ラインに個別のスイッチを配置し、細かく電力供給を制御する方法です。
- 疎粒度型(coarse grained):より大きなブロック単位で電源スイッチを設け、まとめてオン/オフする方法です。
- 中粒度型(medium grained):これらの間を取る中間的な粒度で、小規模なブロックごとに個別に電力供給を制御する方式もあります。
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