バックアップ方式は、何を基準に保存するかと復旧に何が必要かを組にすると理解できます。フル・差分・増分を比較した後、イミュータブルやオフサイトなど、保存データを守る考え方も整理しましょう。
フル・差分・増分の違い
| 方式 | 保存するもの | 復旧に必要なもの |
|---|---|---|
| フル(完全) | 対象データの全体 | 復旧したい時点のフル |
| 差分(ディファレンシャル) | 最後のフル以降に変更されたデータ | 基準のフル+対象時点の差分 |
| 増分(インクリメンタル) | 直前のバックアップ以降に変更されたデータ | 基準のフル+対象時点までの増分すべて |
ここでは試験でよく使う基本モデルで説明します。実際の製品では呼び名や復旧方式が異なることがあるため、製品仕様も確認します。
水曜日まで戻す例で比べる
| 時点 | 変更(毎日別のデータ) | 差分に保存 | 増分に保存 |
|---|---|---|---|
| 日曜 | 全データをフルで保存 | フル | フル |
| 月曜 | Aを変更 | A | A |
| 火曜 | Bを変更 | A・B | B |
| 水曜 | Cを変更 | A・B・C | C |
水曜時点へ戻すなら、差分は「日曜フル+水曜差分」です。増分は「日曜フル+月曜増分+火曜増分+水曜増分」を順に使います。増分を最新の1つだけ適用しても、途中の変更をすべて復元できません。
容量・時間と復旧手順を比較する
増分は毎回の保存量を抑えやすい一方、復旧に必要なバックアップの連鎖が長くなります。差分はフルからの変更が蓄積しやすい一方、復旧に使う組合せが単純です。実際の処理時間は変更量、重複排除、圧縮、装置や製品の方式にも左右されます。
イミュータブルは保存範囲とは別の観点
イミュータブルバックアップは、設定された保持期間中などにデータの変更・削除を制限する仕組みです。フル・差分・増分とは分類の軸が違い、組み合わせて使えます。変更不可でも、元から壊れたデータを保存していた場合に正常復旧を保証するわけではないため、複数世代の保存と復旧確認が必要です。
オフサイトと複数コピー
オフサイトは、元データの場所から離れた拠点などに保存することです。「マルチプルバックアップ」は、一般的な単一の保存方式名として覚えるより、複数のコピー・媒体・場所を組み合わせる考え方として捉えます。3-2-1の基本は「元データを含む3コピー、2種類の媒体、1コピーを別の場所」です。
理解を確かめる確認問題
日曜にフル、月・火・水に増分を取得しました。水曜時点へ復旧するために必要なのは何でしょうか?
解答・解説を見る
基本モデルでは日曜のフルと、月・火・水の増分すべてです。差分の場合は日曜のフルと水曜の差分を使います。

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