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【応用情報技術者試験】データ転送の種類

データ転送

データ転送とは、ある場所から別の場所へデジタルデータを移動させることです。これには、ファイル、フォルダ、アプリケーション、またはその他のデジタル情報が含まれます。データ転送は、個人間、企業間、またはデバイス間で行われることがあります。

アイソクロナス転送

アイソクロナス転送とは、データ転送方式の一つで、特に音声や映像データなど、リアルタイム性が求められるデータ伝送に適しています。一定時間ごとのデータ転送量を保証し、データの途切れを極力少なくすることが特徴です。USBやIEEE 1394などで採用されています。

アイソクロナス転送の主な特徴:

  • リアルタイム性:音声や映像データのように、時間的な制約があるデータの伝送に適しています。
  • 帯域保証:一定時間あたりのデータ転送量を保証するため、安定したデータ伝送が可能です。
  • エラーに対する許容:データが多少欠けても、再送は行われません。これは、リアルタイム性を重視するためです。
  • 優先転送:他のデータ転送よりも優先的に転送されるため、データの途切れが少なくなります。

アイソクロナス転送が使われる例:

  • USBオーディオデバイス: 音声データをPCからオーディオデバイスに転送する際に、アイソクロナス転送が使用されます。
  • IEEE 1394: デジタルビデオカメラなどの機器で、映像データを転送する際に使用されます。
  • Bluetooth LE Audio: 複数のデバイスで同時に音声を再生する際に、アイソクロナス転送が使用されます。

バルク転送

バルク転送とは、複数の通信回線やチャネルを束ねて、大量のデータをまとめて一度に転送する方式のことです。これにより、転送速度の向上や効率的なデータ伝送が可能になります。例えば、ISDNのBチャネルを複数束ねて128kbpsで転送するなどが該当します。

詳細:

  • 一括転送:バルク転送は、データを分割せずに、まとめて転送するため、転送のオーバーヘッドを削減できます。
  • 複数の回線:複数の通信回線やチャネルを束ねて使用することで、より高速なデータ転送を実現します。
  • ISDNのBチャネル:ISDNのBチャネルを2回線束ねて128kbpsで転送する例は、バルク転送の代表的な例です。
  • USB:USBデバイスでは、バルク転送はプリンタやスキャナ、外部記憶装置などで使用され、エラー時の再送機能など信頼性の高い転送が求められる場合に用いられます。
  • タイミング:バルク転送は、タイミングを厳密に制御する必要がないため、アイソクロナス転送などのタイミングが重要な転送方式と比べて、柔軟な運用が可能です。
  • USB 3.0:USB 3.0では、Bulk Burst転送という、より効率的なバルク転送方式が導入され、転送速度の向上が図られています。

バルク転送は、大量のデータを効率的に転送する必要がある場合に有効な手段です。

インタラプト転送

インタラプト転送とは、USBなどのインターフェースにおいて、一定の間隔でデータを転送する方法です。主に、キーボードやマウスなどの入力デバイスで、ポーリングによってデータの転送が行われます。

詳細:

  • ポーリングによる転送:インタラプト転送は、ホスト側(通常はコンピュータ)が定期的にデバイス側(例えばキーボード)にデータの有無を問い合わせるポーリング方式でデータ転送を行います。
  • 優先度:USBの転送方式の中では、アイソクロナス転送に次ぐ優先度を持ちます。
  • 使用例:キーボードやマウスなどの入力デバイスは、人間が操作するデバイスであるため、一定の応答速度が求められます。インタラプト転送は、ミリ秒オーダーで応答できるため、これらのデバイスに適しています。
  • フレームサイズ:フルスピードモードでは1フレームあたり最大64バイト、ロースピードモードでは最大8バイトのデータが転送されます。
  • コントロール転送との違い:コントロール転送は、デバイスの初期化や設定など、USBデバイスの制御情報をやり取りするために使用されます。一方、インタラプト転送は、デバイスからのデータを転送するために使用されます。

まとめ: インタラプト転送は、ポーリングによって一定間隔でデータを転送する方式で、キーボードやマウスなどの入力デバイスでよく利用されます。

ポーリングについて詳しく知りたい方はこちら

コントロール転送

コントロール転送は、USBデバイスとホスト間で行われる制御用の転送方式で、デバイスの初期化や設定、情報のやり取りに使用されます。USBデバイスは必ずコントロール転送をサポートしている必要があります。

コントロール転送の主な役割:

  • デバイスの初期化:デバイスがUSBバスに接続された際に、ホストがデバイスを認識し、初期化するために使用されます。
  • デバイスの設定:デバイスの動作モードを設定したり、特定の機能を選択したりするために使用されます。
  • 情報の取得:ホストがデバイスの情報を取得するために使用されます。例えば、デバイスのIDやサポートしている機能などを取得できます。
  • 制御コマンドの送信:デバイスに対して、特定の操作を実行させるためのコマンドを送信するために使用されます。

ホスト
IT用語としての「ホスト」は、ネットワークを通じてサービスを提供するコンピュータや、ネットワークに接続されたコンピュータやデバイスを指します。具体的には、サーバーやパソコン、ルーターなどがホストとして機能します。

コントロール転送の特徴:

  • 必ずサポート:全てのUSBデバイスは、コントロール転送をサポートする必要があります。
  • 小さなデータ量:コントロール転送は、一度に転送できるデータ量が比較的少ないです。
  • 確実な転送:転送エラーが発生した場合は、再送が行われるため、データの信頼性が高いです。
  • デフォルトのエンドポイント:コントロール転送は、通常、デフォルトのエンドポイント(EP0)を使用します。

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