チャタリングの処理には、ハードウェア的な対策とソフトウェア的な対策があります。ハードウェアでは、RC回路(抵抗とコンデンサ)やシュミットトリガなどの電子回路を挟んで信号を安定化させます。一方、ソフトウェアでは、デバウンス処理と呼ばれる、スイッチ入力後に一定時間待つ、もしくは数回状態を監視して安定したことを確認する手法が一般的です。
ハードウェアによる対策
- RCローパスフィルタ:抵抗とコンデンサで構成される回路で、チャタリングの振動を滑らかな信号にすることで鈍らせます。
- シュミットトリガバッファ:RCフィルタと組み合わせることで、入力信号の電圧が特定のしきい値を超えた場合にのみ出力を切り替えるヒステリシス特性により、チャタリングを完全に除去できます。
ソフトウェアによる対策
- デバウンス処理(ソフトウェア):マイコンを搭載したシステムで最も一般的に使われる方法です。
- 一定時間待つ(遅延):スイッチが押された直後にプログラムを一定時間(例:100ミリ秒)停止させ、チャタリングの振動を無視します。
- 状態の監視:スイッチの状態を複数回サンプリングし、安定した状態になったことを確認してから入力を確定させます。例えば、数回連続でON、またはOFFが観測された場合のみ入力を確定させる、といった手法があります。
- ライブラリの活用:Pythonの
RPi.GPIOのようなライブラリには、デバウンス処理を組み込む機能(bouncetime)が用意されている場合があります。
その他
- 接点材料の選定:接触信頼性の高い接点材料を選ぶことで、チャタリングを軽減できます。
- 非機械的接点の利用:光センサーや静電容量式のタッチセンサーなど、機械的な接点を持たないスイッチを使用すると、チャタリングが発生しません。

コメント