【応用情報技術者試験】スレッドセーフ

スレッドセーフとは、複数のスレッドが同時に実行されても、データの整合性が保たれるように設計・実装されている状態を指します。これは、共有データへのアクセスが競合する「レースコンディション」や「データ競合」を防ぐことが目的で、ミューテックスやセマフォなどの同期機構を利用して安全性を確保します。

スレッドセーフのポイント

• マルチスレッド環境での安全性:複数のスレッドが同時に同じデータを読み書きしても、処理が正しく実行されることを保証します。
• 競合の防止:複数のスレッドが同時に共有データにアクセスすると、予期しない結果や不具合が生じることがありますが、スレッドセーフなコードはこの競合を防ぎます。
• 同期機構の使用:実行の排他制御を確実にするために、ミューテックス（相互排他ロック）やセマフォといった同期機構が使われます。
• 具体例:共有メモリに書き込み中に別のスレッドが書き込もうとした場合、データが破損する可能性があります。スレッドセーフなコードはこの状況を回避し、処理が完了するまで他のスレッドのアクセスをブロックします。

スレッドセーフでない場合

• 未定義動作:スレッドセーフでないコードを複数のスレッドで実行すると、データ競合による未定義動作や意図しない結果が発生する可能性があります。
• デバッグが困難:競合が発生するタイミングが不特定であるため、トラブルの原因特定や修正が困難な場合があります。
• セキュリティリスク:競合状態からセキュリティホール（脆弱性）が引き起こされる可能性もあります。